GID(性同一性障害学会)学会第24回研究大会・総会

会長挨拶

百澤  明

GID(性同一性障害)学会第24回研究大会・総会

会 長 百澤  明

(山梨大学医学部附属病院形成外科 教授)

この度、GID(性同一性障害)学会第24回研究大会・総会の会長をつとめさせていただくことになり、2023年3月25日(土)、26日(日)に山梨県富士吉田市の、ふじさんホール・富士吉田市民会館において開催することとなりました。
本会の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

2007年に私が埼玉医科大学総合医療センターで性同一性障害(GID)医療に関わり始めて以降、関東には入院して手術治療を受けることのできる公的な医療機関が、同院あるいは山梨大学病院以外にはありませんでした。そのため、この医療の受け皿を増やすべく普及に努めて参りました。その一環として一昨年、判定会議機能を提供し、かつ若手の本治療に興味を持つ医師たちをまとめるために関東ジェンダー医療協議会を発足させました。そして、都内では、数か所の公的医療機関において性同一性障害の外科治療の取り扱いが開始され、徐々にですが対応施設が増えてきました。しかし、全国的にはまだ多くはありません。
そこで今回は、「ジェンダー治療開化宣言 -広がる裾野、その先へ-」をテーマに掲げ、広がりはじめたこの医療をさらに発展させるための議論もしていきたいと考えております。

近年、LGBTQ等の用語で性的少数者への関心や、社会的差別への問題が国内でも少しずつ認知され始めました。中でも本学会は「T:トランスジェンダー(性同一性障害)」の方々に対して、より良い診療を行うために、精神神経科、産婦人科、形成外科、泌尿器科などの多くの診療科の医師をはじめ、看護職・心理士・教員等資格所有者・研究者など様々な関係者により構成されており、社会的認知の拡大と共に、更なる会員規模の増加、発展が見込まれます。

2021年・2022年の大会は、コロナ禍のためWeb開催となりましたが、2023年は現地開催ができるものと考え準備を進めております。会場は、館内からの富士山のロケーションがすばらしく、富士山地域の文化活動の拠点としてとして広く利用されている「ふじさんホール」といたしました。是非、富士山を見に足を運んでいただきたいと思います。多くの方からのご参加をお待ちしております。